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2018年9月16日
日本口腔インプラント学会学術大会レポート 3日目

こんにちは。吉岡歯科医院副院長の吉岡登史彰です。今日は日本口腔インプラント学会3日目、最終日のレポートです。

写真はすごく有名な先生で、左の外人はTomas Albrektsson先生、右の外人はDaniel Botticelli先生です。本大会の参加者のほとんどは、このお二人の話を聞きに来たと言っても過言でないくらい注目の先生方です。

例によって、最初に余談を。笑

ようやく記念撮影です。自分の写真がないことに今更気づき、久しぶりにお会いしたストローマンの営業の尾形さんに撮影してもらいました。

こちらはポスター会場です。口演ばかりでなく、このような小規模なものも扱われています。

こちらは受付です。最終日になっても今からレジストレーションする先生も見えます。皆さんギリギリまで診療されて、せめて最後の日だけでもと、参加されています。最後の日に出席カードを通してあとは遊んでました。。。なんて人はいないはず。笑

受付には多数のスタッフが。この方々はこの大会のために雇われたスタッフではありません。大阪周辺の歯科医師や、歯科衛生士、その委員の従業員さんが駆り出されて、彼らの努力で支えられています。お疲れ様です。

大会では様々な発表が同時進行します。なるべく多くの方に広く歩き回っていただこうということで、スタンプラリーが併催されています。せっかくですので私もスタンプラリーに参加し、粗品をゲットしました!

中身は!これです!!

。。。スタンド式のペンケース兼ペットボトルカバーだそうです。。。よかった!のか!?なんとか用途を考えてみます!笑

シンポジウム6無歯顎に対するインプラント治療を整理する

このセッションでは、下尾先生、堀内先生、細川先生がお話になられました。下尾先生はAll-on-4の第一人者であり、堀内先生は骨造成などの外科手技の第一人者、そして細川先生は大学補綴医として近年インプラントオーバーデンチャーの問題に多く言及されている方です。

下尾先生からはAll-on-4(オールオン4)の基本的な基準が再確認されました。一方で、堀内先生からはAll-on-4の危険性について指摘がありました。一見両者は対立構造のようにみられがちですが、私としては、オールオン4も骨造成を伴うボーンアンカードブリッジも、明確に線引きするようなものではなく、実際の臨床においては両者の位置付けは連続的で曖昧なものだと考えています。なので、その差を明瞭に区切りどちらが良いかどうかと言う会話はあまり意味がないように感じます。

そして、私が個人的に大好きな細川先生のご登壇で、ようやく場が締まります。オールオン4かそうでないかはおいておいて、やはり患者QOLの観点から即時荷重は標準治療たり得るものであろうという発言は、大変納得のいくものでした。

その根拠として、即時荷重と待時荷重でトラブルの発生率に差がないと言う研究や、インプラント本数が4本でもそれ以上でも、統計的には差がないことが示されました。

現実の臨床現場では、患者様は必ずしも成功率の高い治療ばかりを選ぶわけではありません。みなさん生活があるので、治療期間や、費用や、痛みや、リスクや、見た目など、、様々な事情から、たとえ成功率が落ちても、それがわずかであれば、そちらを選択することはよくあります。ガンの温存療法や、内視鏡手術は全てそうです。決して、現実は成功第一主義ではないのです。

患者様のQOLのニーズに応えるべく、我々は即時荷重をもっと積極的に考えていかねばなりません。細川先生から当院と同じようなお考えの話が聞けて、とても良かったです。

研究推進委員会セミナー
学会ポジションペーパー”訪問診療におけるトラブル対応”を語る

日本口腔インプラント学会では現在、超高齢者社会において、在宅介護、施設介護となっている方を対象とした治療について、そのあり方を検討中です。この分野は論文が少なく、現在ではガイドラインとまではなりませんが、知見ある先生がたの経験を踏まえて、ポジションペーパーを策定することとなりました。

得に、実際にインプラント関連の訪問歯科診療に当たられている柴垣先生のお話にはとても重みがありました。昨日、ボーンアンカードブリッジから何処かのタイミングでインプラントオーバーデンチャーに変更する必要があると言う話が出ました。そのタイミングについての議論は具体的にされませんでしたが、この柴垣先生は「認知症がある程度進行してから」が一つの目安になるとおっしゃいました。

やはりボーンアンカードブリッジは患者様にとってとても快適で、将来のためにオーバーデンチャーにしようと言っても受け入れてもらえるはずがなく、現実的でないとのことでした。結局はご自身の認知症が悪化し、ご自身では確実にケアができなくなったタイミングしかないとのことでした。しかし、その頃には口腔治療が困難なため、できれば動けるうちに、先にインプラントオーバーデンチャーを作っておいて、後で交換できるようにしておくと良いという話もされました。

また、下顎のインプラントオーバーデンチャーは予後が良いのですが、上顎はトラブルが多いため、まだまだ考えた方が良いと言うお話もありました。

特別公演
「オッセオインテグレーションとインプラント周囲炎」

アルブレクトソン教授はインプラント界の重鎮で、ブローネマルク教授に並ぶ有名人です。彼は今回、インプラント周囲炎についてなかなかショッキングなお話をしました。

それは、インプラント周囲炎の原因因子として細菌の付着は数多く存在する因子の一つでしかなく、しかもマイナーな要因であり、それよりも不適切な外科手技、過荷重、患者の服薬、喫煙、遺伝的因子などの方が大きなウエイトを占めると彼は明言されました。

インプラント周囲炎を従来の歯周病と同党の作用機序で捉えてはダメで、細菌感染以上に免疫系の問題が大きいと語りました。

そして最後に強く強調されたことが、「トップ5ぐらいのメーカーしかろくなドキュメントが揃っていないので、臨床家はそのようなインプラントを使うべきである」と明言されました。これには会場内から改めて確認の質問がされましたが、やはり彼は「根拠が揃っているインプラント以外は絶対に使いたくない」と明言されました。

吉岡歯科医院ではアルブレクトソン先生と全く同じ根拠で、プレミアムインプラントを選択しています。安いからと言う理由で、世界で誰も使っていないインプラントを使うことはやはり問題があると言わざるを得ないことが再確認できました。

さて、これで学会の全プログラムが終了しました。今回の大会参加者は4800人以上と、どうやら過去最高の人数を更新したようです。近畿北陸支部の皆様、お疲れ様でした!!


2018年9月15日
日本口腔インプラント学会学術大会レポート 2日目

こんにちは。吉岡歯科医院副院長の吉岡登史彰です。今日も昨日に引き続き、日本口腔インプラント学会学術大会のレポートを行いたいと思います。

。。。ですが、真面目な話だけではつまらないので、先に余談です!!

学会では企業展示と言って、協賛企業が商品紹介を行っています。企業展示はワンフロア全体を使って行われており、大変な賑わいを見せています。上の写真はストローマンのブースです。やはり世界シェア第1位の企業だけあり、大きなブースを出していました。どこの学会でもそうですが、協賛金額が高額な企業ほど大きなブースエリアをゲットできます。企業展示に来ると業界の力関係や営業戦略がよくわかり、とても面白いです。

デンツプライのブース。デンツプライはインプラントシェアでは世界4位ですが、インプラント以外の歯科業界全体を合わせると、業界最大企業です。なお、奥にメルセデスのブースがありますが、希望者は1Fで試乗できます。笑

世界シェア2位のノーベルバイオケアのブースもありましたが小さめでした。ノーベルはダナハに買収されて子会社となってから、日本マーケットでの羽振りがとても悪くなっていますが、ここでもその傾向が顕著です。

シンポジウム1 インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する

さて、真面目な話です。笑

2日目の最初は本大会のテーマである超高齢化社会についてです。

印象的であったのは、天然の歯が意外と悪さをしているということです。歯を残すことに盲目的になりすぎるあまり、快適に噛めなかったり、感染症を放置してしまったりと本末転倒な状況になっている患者さんは意外と多くおみえです。状態の悪い歯を無理に残して介護状態に突入すると、その取り扱いは患者様ご本人と家族を非常に悩ませます。

そして、インプラント周囲の軟組織の方が天然歯周囲の歯肉のよりも健康状態が良いということや、歯がない人よりも歯が残っている人の方がお口の中の細菌数が多いというショッキングな統計が紹介されました。

これまで躍起になって残してきたご自身の歯は、介護状態になってから悪さをするということです。

もちろん、この事実をもってして、「歯を積極的に抜いていこう」という話になるのではなく、より歯科医療が介入して、健康状態を改善しようという話です。しかしながら、闇雲に歯を残すことの危険性についてはもっと国民に知らされるべきでしょう。

あらかじめ状態の悪い歯を抜歯し、健康な口腔周囲環境とインプラントでの咬合支持を獲得した状態で、計画的に老後・介護状態を迎えるという健康戦略をもっと積極的に考える必要があるかもしれません。

企画講演 超高齢社会への責任, 患者に寄り添う歯科治療を目指して

栄養と運動の重要性が再確認されました。そもそも高齢者にとって栄養補給とは、ただ漠然と日々を生きるエネルギーを摂取するだけではいけません。高齢者は筋肉量が減っていきますので、意識的に筋肉を育てることに栄養の目的を置きます。つまり、たんぱく質を意識して多く取る必要があります。そして、たんぱく質をたくさんとっていても骨格筋の量は増えず、骨格筋に対してストレスをかける、つまり運動することによって骨格筋が増えます。栄養は筋肉の原材料で、運動が筋肉の製造方法なのです。

また、日本の医療経済が2025年に確実に崩壊を迎えることが紹介されました。2025年には800万人が一斉に後期高齢者になり、国の医療費は1.4倍、介護費用は2倍、認知症高齢者は1.4倍となります。その一方でそれを支える生産労働人口は減少の一途です。国の医療費のうち、歯科医療費は2.8兆円ですが、仮に歯科医師の報酬を全てカットし、それを全て医科の医療や介護に当てたとしても全く足りません。現在「インプラントは自由診療で高い」というイメージの方も多いと思いますが、このままでは全ての歯科治療は保険診療から外されても不思議ではありません。早急な対策が望まれます。

シンポジウム1で「もっと積極的に介入していこう!!」と話した矢先、次の企画講演では「医療費が赤字である」というお話。現実の厳しさに鼻を折られる会場でした。

シンポジウム4 安心安全に行うサイナスリフト

当サイトでも紹介していますが、インプラント手術関連の合併症での件数が、神経損傷以上に上顎洞関連のトラブルの方が多いと言う統計が紹介されました。これは重要な事実です。

また、自家骨を混ぜるよりもBioOss100%の方がわずかではあるものの結果が良いという統計が出されました。当院もその統計を根拠にBioOss100%でサイナスリフトを行っています。

新しい情報は全くありませんでしたが、自らの臨床の根拠の確かさを再確認できる機会でした。

シンポジウム3 審美領域のインプラント治療の長期予後

ここでは歯科のトップランナーである日高先生、石川先生、千葉先生のお話でした。いつもながら大変素晴らしい発表でしたが、お3方は有名すぎてよくお話を聞いていたため、新しい発見はほとんどありませんでした。日高先生はクライテリアの確認の講義、石川先生はルートサブマージェンスやPETの話、千葉先生はデジタルソリューションのお話でした

以上、2日目でした!真面目な話でつまらなかったらごめんなさい。明日はいよいよクライマックスです。最後まで真面目に参加します!


2018年9月14日
日本口腔インプラント学会学術大会レポート 1日目

こんにちは。吉岡歯科医院副院長の吉岡登史彰です。今日は年に一度の日本口腔インプラント学会の全国大会に参加するため大阪へ来ています。

日本口腔インプラント学会とは日本で最も規模の大きい歯科インプラントの学会で、歯科業内において最大の会員数(15000人以上)を誇る学会でもあります。日本のインプラントの最前線を走る各大学の教授陣や臨床家が集う本会は9月14,15,16日の3日間開催されます。吉岡歯科医院院長の吉岡喜久雄は当学会認定のインプラント専門医であり、私も会員です。

歯科インプラントのトップランナーが国民の健康のために何を考えているのか、本学会のレポートと通してお伝えしたいと思います。

開催地は大阪中之島の大阪国際会議場です。

会議場に入ると、正面には控えめな看板が掲げられています。

大会は各フロアをまたいで行われるようです。

メイン会場はこんなに広いホールです。まだお昼の13時。ガラガラです。

画面の左右にはメインのシンポジウムや基調講演のタイトルが並んでいます。さて、時刻は15:30。大会が始まります。いきなり申し訳ありませんが、講演内容は撮影禁止なので、字面でのレポートとなります。

会員サービスと学会のプレゼンス向上を目指して
宮崎 隆 理事長

これまでのインプラント学会の取り組みと、現在の社会状況、将来予測から、我々がどう国民の健康増進に寄与していくのか話されました。当サイトでも何度も引用していますが、やはり2011-2012年の国民生活センターの公報やNHKの報道で国民に広く知られるようになったインプラントのネガティブな情報は、我々にとって大きな反省であり、そこからの取り組みが紹介されました。

また、歯科インプラントが医科で用いられる多くのインプラントと違い、体内装置と体外装置の両側面を持っている特殊性が再確認され、感染に弱いことが強調されました。

医科と比較し人材育成のシステムが遅れており、インプラント専門医の認定制度のより一層の洗練の必要性も指摘されました。その上で重要なことはインプラント症型分類のブラッシュアップであることが明らかでした。患者様の全身状況のリスク、局所のリスク、歯科医師のインプラント治療スキルレベル、それら全てをもれなく矛盾なく反映し、誰もが納得し、世界的に普及可能な、そんな症型分類ルールの制定が望まれます。インプラント専門医試験により歯科医師の格付けを行い、その質を国民に担保するためには、試験症例レベルがある程度均質化される必要があります。

私もインプラントセミナーを開いており、よく「デビューに最適な簡単なインプラント症例は?」と若い歯科医師から質問をされますが、大変回答に困ります。若手教育を充実させるためにはより正確で、わかりやすい症型分類を開発する必要がありそうです。

国民の口腔関連疾患の将来予測として、う蝕や歯周病が減り、全身疾患との関連がより重視されるようになると言われています。「治療管理連携型」のシステムが必要となります。

学会の今後の取り組みとして、より円滑な研究活動の支援や、臨床ガイドラインの品質向上、看護や介護分野、他学会との連携、海外学会や国際機関との連携などに取り組んでゆくことが紹介されました。

専門医教育講座

専門医教育講座とは、専門医の先生がそのライセンスを維持するために必ず聞かなればいけない授業です。院長と私も真面目に受講しました。自動車学校の授業のように、授業を受けることが資格維持に必要なので、入退室は制限され、全員出席確認されます。名だたる有名な先生が講義を受ける大学生みたいな扱いでちょっと面白いです。「替え玉はだめ!」という案内までありますので、本当に大学みたいです。笑

専門医教育講座はみんなライセンスの維持がかかっていますので、出席率が大変良いようです。あれだけ広かった会場は一気に満席となりました。

歯科における再生医療、再生医療等安全性確保法、届出の実際
飛田 護邦 先生

ここでは再生医療や臨床研究に関わる法律とその改定についての解説が行われました。歯科医療でも再生療法分野の研究、臨床応用が進んでいます。iPs細胞の研究を始め、この分野で日本は先行したいと考えています。しかし、ここ数年製薬会社の臨床研究などで不祥事があることから、ルールの厳格化をせざるを得ない状況があり、結果としてスムーズな運用が滞らざるを得ない状況が紹介されました。

インプラント治療の長期経過とリカバリー
城戸 寛史 先生

専門医教育講座は福岡歯科大学で臨床に取り組まれている城戸先生のお話でした。私や院長としてはすでに知った話ばかりであまり面白くはなかったのですが、若い先生には是非聴いていただきたい内容でした。

特に、上部構造の破折などのトラブルは初めから見込んでおくことが歯科医師にも患者にも求められるというお話は大変共感できました。

セメントの取り残しがインプラント周囲炎を起こすというお話では、マージンの具体的な位置にまで言及があり、縁下2mmを超えると著しくセメントの取り残しが多いことが示されました。一方で、スクリューリテインがセメントリテインと比較し優れていると断定できるほどのエビデンスもないことも紹介されました。論文によってはセメントの方が予後がいいものもあるとのことです。

抜歯即時埋入、ソケットシールドの話がありましたが、やはりこの分野は発展途上であり、新しい情報はありませんでした。

また、成人以降の顎骨と歯列の加齢変化にも言及されました。インプラントと残存歯の位置関係が長期にわたってずれていくことが紹介されました。

インプラント治療における接着技術についても話は進みましたが、過去に10のシステマティックレビューがあるものの、材料や方法が多すぎて画一的なレビューが困難であることが語られました。

最後にオーバーデンチャーに話が進みました。吉岡歯科医院ではインプラントオーバーデンチャーを積極的に行なっておりません。なぜならトラブルが多いことがわかっているからです。ここでもトラブルの多さが指摘されました。しかしながら、介護時の第3者による清掃のしやすさなど、可撤性の魅力は以前あるとされ、固定性のボーンアンカードブリッジから可撤性のインプラントオーバーデンチャーへの移行がスムーズに行えるようなシステム、またはいずれにも対応できるようなハイブリッドなシステムの開発が望まれると話されました。

さて、これで1日目のプログラムは終了です。

あんなガラガラな会場も満席です。会場を出るのも大変で、この大人数の出席確認を行わないといけません。席を区切られ、順番に退出案内されます。会場を出ると、カードリーダーに自分のカードを通して、出席登録確認をして帰路につけます。

真面目なレポートで面白くなかったかもしれません。まだ明日明後日と続きますので、流し見で結構ですので、ご覧くださいね。