その症状、
酸蝕症かもしれません
- 歯が溶けてきたような気がする
- 歯が黄ばんでいた
- 冷たい水がしみる
- 虫歯じゃないのに歯が痛い
酸蝕症でダメージを受けた歯を、セラミックの被せ物で治療したケース。
酸蝕症とは?
「酸蝕症(さんしょくしょう)」とは、酸によって歯の表面が少しずつ溶けてしまう症状です。
通常、歯の表面は「エナメル質」という硬い層で守られていますが、酸性の強い飲食物を頻繁にとったり、胃酸が口の中に戻ってくるような状態が続くと、エナメル質が徐々に薄くなっていきます。
酸蝕症が進行すると、
- 歯が黄ばんで見える(内側の象牙質が透けてくる)
- 冷たいものがしみる
- 歯の表面に凹みができる
- 詰め物が外れやすくなる
といった症状が現れることがあります。
虫歯と違い、特定の細菌が原因ではなく、酸そのものが歯を溶かすため、気づかないうちに進行してしまうことも少なくありません。
酸蝕症の「予防」と「対策」
酸蝕症は、日頃のちょっとした工夫で防ぐことができます。以下のようなポイントを意識しましょう。
- 酸性の飲み物は、時間をかけずに飲む(だらだら飲みはNG)
- 飲食後すぐに歯を磨かず、まず水やお茶で口をすすぐ(酸が中和されるまで待つ)
- フッ素入りの歯みがき剤を使用し、歯を強くする
- 就寝前は酸性の飲み物を控える
- 定期的に歯科医院でチェックを受ける
早期に対処すれば、歯のダメージを最小限に抑えることができます。
酸性の強い食べ物
酸蝕症の原因となるのは、日常的に口にする酸性度の高い飲食物です。pH値が5.5以下になると、歯の表面(エナメル質)は溶けやすくなると言われています。
pHは7.0が中性で、数値が小さいほど酸性が強く、歯へのダメージも大きくなるため注意が必要です。
以下は代表的な食品とそのpHの目安です。
- レモン果汁:pH 2.0
- コーラ:pH 2.2
- 黒酢:pH 2.2
- ワイン:pH 2.8〜3.5
- スポーツドリンク:pH 3.0〜3.5
- オレンジジュース:pH 3.5
- ヨーグルト:pH 4.5
- トマト:pH 4.5
- 緑茶:pH 6.0(比較的安全)
摂食障害と酸蝕症
「摂食障害」は、特に若い女性に多く見られる疾患で、「拒食」や「過食」といった行動が身体にさまざまな負担を与えます。中でも、過食後に吐いてしまう「過食嘔吐」は、胃酸が口の中に逆流することで歯に深刻なダメージを与える可能性があります。
繰り返し吐くことで、強い酸が歯の表面に触れ、酸蝕症を引き起こすことがあります。
特に影響を受けやすいのが前歯の裏側で、知らないうちにエナメル質が溶け、歯の厚みが失われてしまうことも少なくありません。
摂食障害を克服したあとでも、すでに歯にダメージが残っているケースは多く見られます。現在回復に向かっている方、あるいはすでに回復された方でも、歯に違和感や不調がある場合は、できるだけ早めに歯科での検査を受けることをおすすめします。
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