インプラントかオールオン4か迷ったときは?それぞれのおすすめの人を解説
実は同じインプラント治療でも、それぞれおすすめの人が異なるので、自分に最適な治療法がどちらか見極めておく必要があります。本記事では、インプラントかオールオン4か迷ったときの判断基準を解説します。
それぞれおすすめの人のタイプにも触れるので、参考にしてみてください。
インプラントが向いている人
まずは、インプラントが向いている人から解説します。
ご自身が下記に該当していれば、無理にオールオン4をする必要はありません。
そもそもインプラントとは?
インプラントとは、顎の骨に歯根の代わりとなるインプラント体を埋入し、その上にセラミック等で作成した上部構造(義歯)を固定させる治療法です。
歯根ごと人工的に作成するため、入れ歯やブリッジ等の義歯と違って天然歯と同じ構造にできるのが最大のメリットです。
ズレや違和感を最小限に抑えられること、審美性が高いこと、機能面が充実していて長く使いやすいことなどが話題となり、インプラント治療に踏み切る人が増えました。
歯が抜けている場所がごく限られている人
歯が抜けている場所がごく限られている場合、オールオン4ではなく通常のインプラントがおすすめです。
オールオン4は天然歯の大半を抜歯して実施する治療法であり、歯が抜けている場所が限られているのであればオールオン4にする必要はありません。
また、インプラントだけでなく入れ歯やブリッジなど他の義歯治療も選択肢に加えられるので、予算や理想的な使用法と照らし合わせながら治療法を確立できます。
今後も長く天然歯を使いそうな人
今後も長く天然歯を使うであろう若い人であれば、できるだけ天然歯を残す方針にすることもあります。
残せる歯には通常通り補綴治療をすることもできるので、天然歯とインプラントが混ざす形で温存できます。
将来的に天然歯の虫歯・歯周病や加齢による抜歯などが想定されますが、それでも今すぐオールオン4にしなくてよいケースもあるので相談してみましょう。
特に、天然歯を抜歯せず残しておきたい人にも通常のインプラント治療がおすすめです。
虫歯や歯周病がなく天然歯の状態が良い人
一部の歯だけ抜歯しなくてはいけない(または既に抜歯済みである)ものの、他の歯に虫歯・歯周病がなく天然歯の状態が良いのであれば、通常のインプラント治療でよいでしょう。
インプラントで必要な部分だけピンポイントに治療できれば効率もよく、費用や身体的な負担も最小限に抑えられます。
オールオン4では天然歯も戦略的に抜歯してインプラントにしていくため、天然歯の状態が良いのであればそのまま温存していきましょう。
オールオン4が向いている
次に、オールオン4が向いている人を解説します。
ご自身が下記に該当していれば、オールオン4にしても良いかもしれません。
そもそもオールオン4とは?
オールオン4とは、インプラント体の埋入本数を少なくしながら広範囲に義歯を作っていく治療法です。
最小4本のインプラント体を埋入するだけで片顎全体に義歯を作成できるので、1ヶ所するインプラントにしていくのが負担な人でも導入しやすい方法として注目されました。
また、顎の骨のなかでも特に固い部分に角度をつけてインプラント体を埋め込むため、顎の骨が薄く通常のインプラント治療ができない人でも可能な治療法となりました。
現在総入れ歯を使っている(今後新規作成を検討している)人
現在総入れ歯を使っている人や、今後総入れ歯の新規作成を検討している人にこそ、オールオン4がおすすめです。
片顎のほぼ全ての歯がない場合、隣り合う歯を土台にして義歯を被せていく「ブリッジ」は適用できません。
また、部分入れ歯ではフックのひっかけ先がなく固定できないので、総入れ歯にせざるを得ないのが現状です。
インプラントにすることもできますがインプラント体の埋入本数が多く、
「手術時間が長くなる」「費用がかさむ」「切開部分が多いので痛みや炎症を起こしやすく身体的な負担が大きい」などデメリットが大きくなってしまうこともあります。
そうであれば最小限の本数分だけインプラント体を埋入し、その上に連続した義歯を装着するオールオン4の方が効率的です。
虫歯や歯周病で歯がボロボロな人
虫歯や歯周病で歯がボロボロになっていて、最終的に抜歯が必要そうなのであれば、思い切ってオールオン4を検討できます。
まだ生えている天然歯を抜歯するのに抵抗があるかもしれませんが、ボロボロになった歯が容易に元通りになるとは限りません。
ある程度治療ができたとしても、歯並びや歯茎の位置が変化してしまったり着色を落としきれなかったり、見た目が損なわれてしまうことも多いです。
治療が難しいレベルの虫歯・歯周病があれば戦略的に抜歯し、オールオン4にすることも一つの選択肢となります。
歯並びや歯茎のガタガタを根本的に治したい人
過去の虫歯・歯周病の影響が出ており、歯並びや歯茎がガタガタで審美性に困っている人は、オールオン4で根本的に治療することができます。
オールオン4で装着する義歯は、歯の大きさ、歯並び、歯茎の引き締まり具合、色味などを細かく統制できます。
左右対称で美しいデザインにしたり、つぎはぎ治療のような歯茎の境界線をなくしたりすることも可能なので、特に審美性に優れています。
できるだけ天然歯を残して通常のインプラント治療だけにすることもできますが、骨の吸収速度が部位によりバラバラになりやすく、義歯の長さが揃わなかったり歯の形が不自然になったりすることも多いです。
「お金をかけた割には綺麗でない」となるのであれば、オールオン4にすることも検討してみましょう。
インプラントかオールオン4か迷ったときの対処法
インプラントやオールオン4が迷ったときは、下記の手法で治療方針を決めていきます。
1.オールオン4対応の歯科医院で相談する
2.インプラントとオールオン4の場合どちらの見積りも取得する
3.インプラントとオールオン4の場合どちらの治療プランも提示してもらう
まずはオールオン4対応の歯科医院で治療方針を相談しましょう。
インプラント治療ができる歯科医院は多いですが、
更に技術力が求められるオールオン4に対応している歯科医院は決して多くありません。
オールオン4に対応していない歯科医院の場合、
義歯の範囲が広いのであれば問答無用で総入れ歯になってしまうこともあるので注意しましょう。
そのため「インプラント治療」だけでなく「オールオン4治療」に焦点を当てながら歯科医院を探し、カウンセリングを受けていくのがおすすめです。
カウンセリングを受ける際、インプラントとオールオン4どちらの見積り・治療プランも提示してもらうようにしてください。
自分がインプラント(またはオールオン4)にしたとき、どの程度コストがかかるのか、どの程度治療期間がかかるのかを可視化することで、自分に合った治療法を見つけやすくなります。
どちらが最適かは、今のお口の状態によりひとりひとり異なるのが現状です。
埋入するインプラント体の本数や使用する義歯のメーカー・素材によっても変動するので、個別の見積りを出してもらいましょう。
まとめ
インプラントとオールオン4はどちらもインプラント治療の一種ですが、強みとする治療範囲が異なります。
オールオン4対応の歯科医院であればどちらの治療法に関する相談も受け付けているので、
迷っているのであれば一度問い合わせてみましょう。