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高齢者の死因No.1誤嚥性肺炎は歯周病菌が原因?

歯周病菌は歯を失う原因トップを占める病気ですが、近年では歯を失わせるだけでなく、体のさまざまな病気を引き起こすことが次々に明らかになってきています。

今回は、その中でも高齢者の死因となることの多い誤嚥性肺炎と歯周病の関係についてご紹介します。

誤嚥性肺炎とは

誤嚥性肺炎
現在、高齢者の方がお亡くなりになる原因のトップを占めているのは、誤嚥性肺炎というものです。
これはどのようなものかというと、本来入るべきでないお口の中の唾液や食べ物などが誤って気道から肺の方へ行ってしまうことで肺炎を起こしてしまうものです。
通常、健康な人の場合、お口周囲の機能が正常に働き、気管の方にはものが行かないようになっていますし、たとえ空気以外のものが気管の方へ行ってしまったとしても、反射機能が働くことによって排出されますが、高齢者の場合にはお口周囲の機能も反射機能も衰えているため、そのまま入っていってしまうことがあり、それによって肺炎が引き起こされます。

誤嚥性肺炎の主な症状

誤嚥性肺炎の主な症状として、下記が挙げられます。

 初期症状 :咳や発熱、倦怠感、息切れ
 中期~末期:胸の不快感、呼吸困難、高熱、膿、副雑音

初期症状は風邪に似るため、単なる風邪と誤解してしまうことがあります。
しかし、誤嚥性肺炎の原因は、肺に入ってしまった唾液や胃液、食べ物などによる炎症や、細菌やウイルスなどによる細菌感染症です。

そのため、風邪のように対処しても効果がありません。
基本的には、入院して抗菌薬で炎症や感染症を抑えながら治療することになります。

歯周病と誤嚥性肺炎との関係

歯周病と誤嚥性肺炎との関係

誤嚥性肺炎になった人の原因を調べてみると、歯周病菌が原因になっていることが多いことがわかっています。
誤嚥性肺炎の原因菌は、酸素のほとんどない環境で増殖する性質をもった嫌気性菌です。
歯周病菌もまた、歯肉の内側で増殖する嫌気性菌が含まれており、誤嚥性肺炎を引き起こす原因になります。
多くの場合は、眠っている間に唾液が肺へ流れてしまうことで起こると言われており、日中でも食事中に入ってしまうこともあります。

歯周病というのは、成人の8割以上がかかっていると言われているほどありふれた病気ですので、
高齢者の場合はほぼ100%近い人がかかっていると考えられます。
ところが、歯周病というのは痛みなどの自覚症状を感じづらいので、実際に歯周病であることに気づかず、
適切な治療やケアを受けていない人は多くいると考えられます。

高齢者に誤嚥性肺炎が起こりやすい理由とは?

高齢者に誤嚥性肺炎が起こりやすいのは、身体能力の低下が主な原因といわれます。
通常、飲食物を正常に飲み込むためには、嚥下反射(えんげはんしゃ)がおこなわれています。
嚥下反射によって気管がふさがれることで、飲食物や唾液が食道へと正常に通っていく仕組みです。

誤って気管に入ってしまっても、通常であれば咳反射(せきはんしゃ)がおこなわれ、飲食物を排出することができます。
しかし、高齢になるにつれて身体能力は衰え、嚥下反射や咳反射が機能しにくくなり、誤嚥しやすくなります。
高齢になると口内のケアもしづらいため、歯周病が進行しがちです。
そのため、誤嚥を引き起こした後に誤嚥性肺炎へと発展してしまうことがあります。

誤嚥性肺炎を予防するためにできること

高齢者が誤嚥性肺炎を防ぐためには、下記の4つに取り組んでみてください。

のどのトレーニング

まずおこないたいのが、のどのトレーニングです。
嚥下反射や咳反射などが機能しにくくなっているため、飲み込む力を鍛えて誤嚥を防ぎましょう。
少量ずつ水を飲み込む訓練は、より実践的で効果が高いといわれます。
また、歌ったり肩を回したり、舌を出し入れするトレーニングをおこなうと、のどとその周辺の筋肉を鍛えることができます。

食事はよく噛む

誤嚥を防ぐためには、よく噛んで食べることも心掛けてください。
食事のペースが早いと、嚥下の準備が整う前に飲み込もうとしてしまうためです。
また、大きなものを飲み込もうとすると、それだけ誤嚥の可能性が上がってしまいます。
よく噛むことには、唾液の分泌が促され、歯周病菌の増殖を防ぎやすくなるメリットもあります。
顎の筋肉も鍛えられる、脳の活性化にもつながるため、1口につき20~30回を目安に噛んでみてください。

食べ物や飲み物に工夫

食べ物や飲み物に一工夫加え、とろみを付けてみましょう
とろみを付けることで飲み込みやすくなり、誤嚥の防止につながります。
嚥下のしやすさは個人によって異なり、飲み物に薄くとろみを付けるだけで良い方もいれば、食べ物もゼリーのよう濃いとろみを付けた方が良い方までさまざまです。

胃液の逆流を防ぐ

誤嚥性肺炎は、胃液が逆流によっても起こり得るため、胃液の逆流を防ぐ工夫もおこないましょう。
食べ過ぎないことや、食後すぐに横になるようなことは避けましょう。
また、胃酸の分泌が多いと、逆流のリスクも上がってしまいます。
そのため、甘い物や刺激物など、胃酸の分泌を促すような食事は、なるべく避けるようにすることが大切です。

誤嚥性肺炎のリスクは歯周病ケアで下げられます

例え歯周病にかかっているとしても、歯周病治療を定期的に受けること、毎日のケアを丁寧に行うことで誤嚥性肺炎のリスクを下げることができます。
ご家庭で毎日できるケアとしては、具体的には、歯の周囲にたまる歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊を放置しないこと、そして、歯磨きの際にできるだけきれいに落とすことが大事です。
その際、ただ磨く、というのではなく、歯と歯茎の境目、歯と歯の隙間といった歯垢の溜まりやすい場所を狙って落とすようにしましょう。
また、歯と歯の間の隙間は、歯ブラシでは落としきれないため、歯間ブラシやデンタルフロスを使って落とすようにしましょう。

高齢者の場合は、入れ歯を使用していることも多いため、毎日入れ歯をすみずみまで丁寧に洗うことも大事です。

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