
2022年7月29日
現に、歯周病は日本においては成人の8割がかかっているとも言われており、誰にとっても無関係な病気ではないのです。そして実は、歯周病というのは女性の方がリスクが高い病気であり、特に妊娠中にそのリスクが高まることがわかっています。そしてさらに厄介なことに、妊娠中の人が歯周病にかかると、色々とお腹の赤ちゃんに影響が出てしまうという問題があります。
今回は妊娠中に歯周病にかかるリスクについてご紹介します。
その理由として次のようなことが関係しています。
妊娠をすると、女性ホルモンの分泌量が通常時よりも急増します。そして、実は歯周病の中にこの女性ホルモンを餌として増殖するものが存在し、その細菌も女性ホルモンの急増とともに増殖してしまうため、歯周病が起こりやすくなります。
妊娠期になると、唾液の粘性が高まり、お口の中を洗い流す作用が落ちてしまい、細菌がそこに留まりやすくなってしまいます。その結果、歯周病のリスクが高まります。
妊娠初期につわり症状に悩まされる女性は多いですが、歯ブラシを口に入れるのが苦痛になることにより歯磨きが十分にできなくなったり、一気にたくさん食べられなくなることから食事の回数が増えてお口の中が酸性に傾きやすい、といったことが起こったりすることで、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
歯茎が炎症を起こすと、プロスタグランジンと呼ばれる炎症性物質が放出されますが、これが血中に入り込んで子宮に達することにより、分娩が促進されて早産を引き起こしてしまうことがわかっています。研究によると、妊娠中に歯周病にかかっている人は、そうでない人に比べて早産のリスクが7倍にも高まるという結果が出ています。
歯周病を引き起こす原因菌が血管に入り込むと様々な全身疾患を起こすことがわかっていますが、その原因菌が胎盤に感染すると、胎児の発育を妨げてしまう可能性があります。そうすると、お腹の赤ちゃんが低体重児(2500g未満)となってしまうことがあります。
また、口腔内が普段より悪化しやすくなるため、歯科医院でのクリーニングも積極的に受けることをおすすめします。妊娠中にお口の状態をしっかりとケアしておくことで、赤ちゃんの健康にも良い影響が及びます。
妊娠中の方でもお気軽に当院までご相談ください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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