タバコは歯周病を悪化させる!
タバコの体への害はよく知られていますが、これはお口にとっても同じことが言えます。むしろ、お口というのは、タバコの煙が一番最初に通過する場所ですので、タバコの影響を色濃く受けるとも言われています。タバコへのお口への害としては、歯周病がよく知られています。
今回はタバコと歯周病との関係についてご紹介します。
今回はタバコと歯周病との関係についてご紹介します。
タバコと歯周病は切っても切れない
統計によれば、タバコを1日に10本以上吸う人は歯周病のリスクが5.4倍、10年以上喫煙している人はリスクが4.3倍にも跳ね上がるということがわかっています。また、タバコを吸う人ほど歯周病が重度になりやすい傾向があります。タバコが歯周病にとって悪い影響を与える理由としては、次のようなことが挙げられます。
歯茎が酸欠状態になる
タバコの煙には一酸化炭素が含まれます。一酸化炭素は組織への酸素の供給を妨げてしまいます。また、ニコチンは血管を収縮させる作用があるため、歯茎の組織が酸欠となってしまいます。
免疫力を低下させる
歯茎の血流が悪くなることにより、免疫が低下しますので、歯周病が発症しやすく、進行しやすくなります。
唾液の分泌低下
タバコを吸うと、交感神経が活性化され、唾液の分泌が抑えられます。その結果、口腔内の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすい環境になるため、歯周病のリスクが高くなります。
ヤニによる悪影響
タバコを吸うとヤニが歯の表面に付着します。ヤニは歯ブラシで落とすのが困難で、ついたままにしていると、そのベタベタした表面にプラークが溜まりやすくなり、歯周病のリスクを高めます。
傷の治りを悪くしてしまう
タバコに含まれるニコチンは、傷の治りを促す細胞の働きを抑制してしまうため、治療後の傷の治りを悪くしてしまいます。そのため、歯周病の治療を行なってもその効果が出にくくなってしまいます。
喫煙者は歯周病に気付くのが手遅れになることも
歯周病の初期症状は、歯茎の腫れ、出血ですが、タバコを吸っていると血管が収縮してしまい、血流が悪くなってしまうので、例え歯周病にかかってしまったとしてもそのような症状が出にくくなります。
そのため、患者さん自身が異変を感じないということになってしまい、歯周病の発見が遅れてしまうことがよくあります。
タバコはインプラントにも悪影響
以上のように、タバコはお口にとって悪影響しかありません。これは、インプラント治療を受ける場合も同様で、インプラントと骨のくっつきが悪くなったり、例えインプラントがうまくいったとしても、喫煙しているとインプラント周囲に感染を起こしやすくなったりして、予後を悪くしてしまうことがよくあります。ご自分の歯、インプラントを長持ちさせるためにもタバコはなるべく控えることをおすすめします。